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深山幽谷で一軒宿がそれぞれ個性を競う秘湯
荒川をはさんで近代的な高層の旅館が建ち並ぶ土湯温泉をさらに奥に進んだ深山幽谷に、一軒宿がぽつんぽつんと点在する温泉地。つい数10年前までは車道すらなく、歩いて行くしかなかったという秘境の地だ。大正時代の建築がそのまま残る山荘風の宿や山麓につつましく建つ純和風の宿など、あくまで静山の自然に親しみ歓楽的な備えを排除した湯浴みの空間が広がる。昭和8年(1933)、詩人・高村光太郎が心を病んだ妻・智恵子を連れて訪れ3泊したという。光太郎もまた、静寂広がる人里離れた秘湯に癒しを求めたのだろうか。時流におもねず秘湯の雰囲気を頑なに守ろうとする奥土湯には、俗世間を抜け出し、心身の疲れを解き放つ不思議な力が宿っている。
●住所:福島市土湯温泉町 ●立ち寄り共同浴場数:0件