
ご紹介したい魅力はたくさんありますが、特筆すべきは料理。つくりたての料理が一品出しで供されます。あっさりとした味つけの料理は、ダシが食材に良く染みわたり、とても繊細です。食材にかける手間隙が舌を通しても伝わってきます。食事量もあり、女将さんの話では、10品以上のメニュー構成の7〜8品目あたりで、だいたいのお客様はお腹いっぱいになられるとのこと。事実、同行した他の営業マンも、食べきれない程の量に圧倒されていました。さらに驚かされたのは、仲居さんが配膳するタイミング。まるで「どこかで見てらっしゃるんですか?」とお聞きしたくなるほどの絶妙さ。食べ終えるまでに1時間以上かけ、ゆっくりと堪能させて頂きました。仕事柄、温泉で身体の疲れをとることはよくありますが、食事だけでこれだけの満足感を抱いたのは初めて。まさしく「食に癒される」とはこういうことを言うのでしょう。今でもその時の味・料理の感動が忘れられません。
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接客、客室、料理、温泉。宿泊における全ての要素で利用者から高い評価を得る「山翠楼」。全59と部屋数は決して少なくはないが、客室係りが担当する客室は2部屋のみ。これは繁忙期であっても変わりはない。サービスに関しても宿泊客のプライベートな時間を大事に、「つかずはなれず」の姿勢で臨んでいる。夕食時には女将(あるいは副女将)自らが、客室へ挨拶まわりをおこなう。女将曰く、「料理の味はもちろんのこと、おいしく頂ける空間こそがもっとも大事。少しでもお話をさせていただくことで、そうした雰囲気づくりができれば」と語る。静寂に包まれた宿には、日本旅館ならではの奥深いもてなしの心が存在する。
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