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アラサー女子
同僚と「中能登」癒しの旅

ー 働く女の毎日は忙しい。

仕事終わりの丸の内線に揺られながら、中村恵里(32)はSNSにつぶやく。

仕事、飲み会、女子会、週1の料理教室&ヨガ、恒例となった日々のSNS更新。
朝はメイクとヘアで1時間かかるし、夜は肌&ボディケアで1時間…。
削れる時間は睡眠時間しかないのが、働くアラサー独身女子の最大の悩み。

どこまで頑張っても報われている気はしないけれど、
それでもいつか報われるために頑張っている。

私の唯一のリラックスタイムは、同期のエミちゃんとのランチ。
ミーハーで明るくノリがいいエミちゃんには、入社当初から妙に馬が合った。

「今度思い切ってさ、お休みとって旅行に行こうよ!1泊2日で!」

目的は「海」と「癒し」
働くアラサー女子、
恵里とエミの旅がいま始まる。

【1日目】国内唯一!砂浜の公道「千里浜なぎさドライブウェイ」に癒される!

「ここいいんじゃない?すごく楽しそう!」

そう言ってエミちゃんが見せてくれたのは、澄み渡る大海原を横手に、砂浜を走る車の姿。
石川県の「千里浜なぎさドライブウェイ」。

調べてみると、世界でもアメリカ・ニュージーランド、そして石川の3つしかない「砂浜をドライブできる海岸」だとか。

私たちは決行を決めた翌月、金沢駅に降り立った。
上野駅から北陸新幹線で約2時間50分。まずは、予約しておいたレンタカーに乗り込む。

いざ、楽しみにしていた
「千里浜なぎさドライブウェイ」へ。

金沢駅からのと里山海道を北上すること約30分、「今浜IC」と「千里浜IC」間の約8kmにわたって続く、日本で唯一砂浜を走れる道路「千里浜なぎさドライブウェイ」の今浜口に到着。
すでに数台の車が滑走していた。

助手席の恵里は、
窓を全開にして能登の風に当たる。
「天気もいいし、風が気持ちいい~」

ここの砂浜は、砂の粒子が細かく、適度に湿っていて、走るのに最適な環境らしい。
青空の下、打ち寄せる波のすぐそばという映画のワンシーンのようなロケーション。
日頃の悩みが吹き飛んでしまうような、爽やかなひと時だった。

【千里浜なぎさドライブウェイ】

住所 石川県羽咋市千里浜町〜宝達志水町今浜
電話番号 0767-22-5333(はくい市観光協会)
アクセス 【電車】北陸本線「金沢駅」より約30分/【車】北陸自動車道「金沢森本IC」より約30分
URL https://www.hot-ishikawa.jp/spot/5818

「能登金剛遊覧船」で、
海上から奇岩「巌門」を堪能

「千里浜なぎさドライブウェイ」を「千里浜IC」で降り、車を走らせること約30分、能登を代表する景勝地「能登金剛(のとこんごう)」に到着。もちろん、陸から一望するだけでも壮観の風景が広がっているが、より迫力のある写真を撮りたい2人は、「能登金剛遊覧船」に乗って海側から攻めることにした。

「恵里!せっかくだから後ろのオープンデッキに座らない?」
「いいね~。スマホ落とさないように気を付けないとね!」

「能登金剛遊覧船」は、羽咋郡志賀町の海岸線一帯、約30㎞にわたり日本海の荒波に浸食され造り上げられた、奇岩や断崖が続く景勝地「能登金剛」を海から楽しめると人気の観光船だ。

道中おしゃべりが止まらない2人が、「巌門(がんもん)」を目の当たりにし、その荘厳な景観に息を呑んだ。
透き通った海と、荒波に削られてぽっかり空いた洞窟のコントラストに圧倒されている。

「巌門」は、「能登金剛」のほぼ中央に位置し、日本海の荒波に削られてできた自然の洞門で、幅6m、高さ15m、奥行き60mもあり、洞門の上には老松が生い茂っている。

見学が終わり遊覧船から降りた2人は、「能登金剛」の奇岩のひとつ「機具岩(はたごいわ)」からの夕陽を見るまでまだ時間があったので、「巌門」の洞窟周辺を散策してまわった。

夕陽の時間が迫ってきたので「巌門」をあとにした2人は、「機具岩」へと車を走らせた。海岸線を走ること5分、2つ仲良く並んだ巨岩「機具岩」が目に飛び込んでくる。ちょうど辺りがオレンジ色に染まり始めた頃に到着。2人はその美しさに魅せられ、ただただ黙って夕陽に見惚れていた。

「機具岩」は、能登金剛の代表的な奇岩のひとつで、機織りの神様の伝説を生んだ夫婦岩。高さ16mと12mの美しい2つの岩が寄り添うように並び、しめ縄で結ばれている。

思う存分夕陽を満喫し、写真も撮った2人は、美肌の湯として人気の温泉「志賀の郷温泉」の宿に遅めのチェックイン。夕食を早々と済ませ、温泉にゆっくりと浸かって1日目を終えた。

【能登金剛遊覧船】

住所 石川県羽咋郡志賀町富来牛下巌門
電話番号 0767-48-1233
営業時間 8:00~16:00 ※冬季除く
アクセス 【電車】北陸本線「金沢駅」より車で約60分/【車】北陸自動車道「金沢森本IC」より約60分
URL https://www.hot-ishikawa.jp/spot/21236

【能登金剛】

住所 石川県羽咋郡志賀町富来
電話番号 0767-32-1111(志賀町商工観光課)
アクセス 【電車】北陸本線「金沢駅」より車で約60分/【車】北陸自動車道「金沢森本IC」より約60分
URL https://www.hot-ishikawa.jp/spot/6100

【2日目】「のとじま水族館」到着!
まずは「ペンギンのお散歩」を見学

志賀の郷温泉を出て約50分、「のとじま水族館」に到着。水族館で見たいものがたくさんある2人は、用意周到に前日の夜のうちに見学のスケジュールを立てておいた。

まず2人が向かったのは、ペンギンがお散歩する「ペンギンプール」。到着すると、すでにペンギンのお散歩はスタートしていたが、運よく見ることができた。パタパタと短い脚を交互に出して、お散歩というより競争しているようにも見える。

「見てー!このフォルムで、パタパタ歩くのとっても可愛いいよね~」

「ペンギンのお散歩タイム」では、南アメリカのマゼラン海峡付近に生息するマゼランペンギンがよちよち歩きする、愛らしい姿を見ることができる。「ペンギンプール」から観客通路に出てくるかわいいお散歩タイムは必見だ。

握手もできる!
「カワウソのおやつタイム」

次に2人が向かった先は、好奇心旺盛なコツメカワウソのいる「カワウソ水槽」。
お目当ては、直接エサをあげられるという「カワウソのおやつタイム」。
いよいよ「おやつタイム」がスタート。

「キャー!可愛すぎる~。恵美!写真撮れた?」
「もう少し撮るからまたおやつあげてみて!ほら、中から手を出しているよ!」

「カワウソのおやつタイム」が終わるとお昼を過ぎたので、館内にある「食堂街」でランチタイムにすることにした。4店舗が並ぶ「食堂街」ではおにぎり、ラーメン、うどん、そば、カレーライスなどをはじめ、ソフトクリームなどのデザート類も充実している。

メインイベントは
一番人気の「イルカ・アシカショー」!

いよいよ「のとじま水族館」で一番人気の大イベント「イルカ・アシカショー」開演の時間が迫ってきた。

「恵里!いい場所で見たいから、早めに移動しよう」
2人は運よく中央の一番前を陣取ることに成功した。「イルカ・アシカショー」では、カマイルカが水中を全速力で泳ぐ姿や、空高く飛び跳ねるジャンプは何度見ても圧巻!ダンスあり、ボールや輪っか遊びありと、アッという間の20分間。

締めくくりは、
圧倒的な存在感を放つ「ジンベエザメ」

帰りの新幹線の時間を考慮すると、あと30分ほどで水族館をあとにしなくてはならない。この先の予定は立ててなかったのだが、2人の意見はぶつかることなく「ジンベエザメ」で即決。ジンベエザメのいる、水量1600トンの日本海側最大級の水槽「ジンベエザメ館 青の世界」へ向かった。

「うわ~!水槽の大きさも桁違い!」
「ジンベエザメってこんなに優雅に泳ぐんだね。ずっと見ていられるかも」

ー 帰りの道中。

「天気もよかったし、気温もちょうどいいし、ホント秋の能登ってベストタイミングだったよね。また秋に来たいなぁ」
「ホントだね。でもさ、途中で写真撮り忘れること何度もあったよね。景色も動物たちも。写真やSNSを忘れる瞬間が多かった」
「そうそう。旅の思い出とかSNS映えを考えて、写真とらなきゃ!っていう使命感があると、全力で楽しめないの。いい瞬間を見逃してしまいそうで」

「なんだか、すごく報われた気がする。最近悩んでばかりだったけど、エミちゃんと能登に来られて本当に良かった!」
「ありがとう、私も。恵里、いますっごくいい顔してるよ!」

「海」と「癒やし」をテーマに掲げた1泊2日の旅。
能登の絶景や動物たちに魅せられ、大満足の中で幕を閉じた。

【のとじま水族館】

住所 石川県七尾市能登島曲町 15部40
電話番号 0767-84-1271
アクセス 【電車】のと鉄道七尾線「和倉温泉駅」よりバスで約30分
【車】能登自動車道「田鶴浜IC」より約25分
URL https://www.notoaqua.jp/
写真提供 のとじま水族館

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菊地慶
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